公益財団法人 とよなか国際交流協会

リレーコラム(2015年度~)

2020年08月 蘇州的随記☆仰望天空(第7回)

柳本美鈴(やなぎもとみすず)

「蘇州的随記☆仰望天空 (蘇州での徒然日記☆空を見上げて) 」(第7回)

大家好(みなさん、こんにちは)!
 前回のコラムから半年近くが経ちましたが、まさか新型コロナウイルスによって世界中がこんな事態になろうとは・・・誰もが全く思いもしなかったことだと思います。
 私は子どもたちを連れて、2月に一時帰国することを決めました。その頃はまだ、感染が深刻だったのは世界でも中国だけ。私たちはウイルスから逃げるように、一時帰国の道を選びました。しかしその後、中国では感染者数が減少、逆に日本国内や世界中でどんどん感染者が増えていきました。そして、そのまま各国の外国人入国制限が始まり、気がつけば、夫のいる中国へ戻ることができなくなってしまいました。
 ニュースで流れる、「隔離」「封鎖」などというあまり気持ちの良くない言葉、「人と会わないことで他人を守る」という切ない新たな概念・・・。急激な社会の変化に、未だに心が追い付けないでいます。
 中国と日本の両方で「ステイホーム」を経験した私たちですが、中国では「外卖(ワイマイ)」と呼ばれるフードデリバリーや、有名な「タオバオ」のようなネットショッピングが、日頃からよく利用されています。そのため、家から出なくても必要な物が簡単に手に入りました。また、「打包(ダーバオ)」と呼ばれる持ち帰りサービスも、もともと多くの外食店で提供されていて、外出自粛期間もあまり不自由はしませんでした。日本では、これらが急速に広がりましたよね。コロナによって一気に大衆化したものがたくさんあったようですが、今後世の中に定着していくのは、一体どのようなものなのでしょうか?とても興味深く感じています。
 「新しい生活様式」などという言葉もありますが、本当に大切なもの・必要なものは、コロナが落ち着いた後にわかるのでしょうね。
 とにかく今は、世界中の人々が平穏な日常を取り戻すことを祈りながら、今自分ができることを精一杯して過ごし、近い将来に家族が健康で再会できることを願うばかりです。

柳本美鈴(やなぎもとみすず)

こども母語・スペイン語アシスタントの柳本美鈴さんが、2018年4月より中国に滞在されています。現地に住んでいるからこそ感じること・ものがたくさん詰まった、美鈴さんからの生活便りをどうぞ。