公益財団法人とよなか国際交流協会

外国人相談あれこれ

第4回 国際結婚カップルの問題01

吉嶋かおり(よしじま かおり)

 夫婦関係の相談のほとんどは外国人の女性からの相談で、たまに日本人男性からもあり、その多くは国際結婚です。夫婦間の問題のテーマは、浮気、金銭問題、暴力、子育て、嫁姑関係、そして離婚などです。どんな民族や地域でも起こる問題ですが、センターの相談の内容では、国際結婚という背景が色濃く出ています。
 「夫の収入がいくらなのか、どうやったら知ることができるか」という相談はこれまで何度かありました。その情報を得る方法を説明するのは簡単です。しかし、なぜ彼女は夫の収入を知りたいのでしょうか。そしてどうして夫に直接聞くのではなく、センターに相談したりしたのでしょうか。こういったことを気にとめながら話を丁寧に聴いていくと、彼女が抱えている本当の問題や、すぐには表されなかった気持ちが明らかになってきます。
このような訴えでは、たいてい、夫婦間の信頼関係が築けていなかったり、壊れていることが多く見られます。それを引き起こした原因の一つに、日本人の夫が、外国人の妻を意識的・無意識的に見下げていたり、一方的にコントロールしようとしていることが伺えます。
先の女性は日本よりも経済面では小さい国の出身で、日本人の夫は彼女の経済感覚を信用せず、彼女が主体的に家計に関わることも認めていませんでした。夫から対等に見てもらえていないという感覚は夫への不信感をつのらせました。そして自信や自己尊重感も低くなっていました。
他の内容でも、相談の訴えの背景に見られるのは、日本人の夫が、お互いの文化、考え方、やり方をすり合わせたり妥協することの大切さに気付いてさえいなかったり、尊重せず無視していることです。日本人夫から「妻をどうやったら理解できるか」という相談は、残念ながらこれまで一度もありませんでした!
外国人妻の日本語力が十分でなかったり、日本の習慣などにそぐわない行動に対して、「もっと日本語を勉強しろ」とか「日本のやり方に合わせてほしい」と日本人の夫は主張すると相談者は言います。相談者が外国人だからわからないだろうという考えで、妻を家族の行事や会話に加えないという内容もありました。
そこで相談者は、どうやったら本当の情報を得られるか、どうやったら自分は夫に認めてもらえたり受け入れてもらえるかということを考え、試行錯誤したり、一生懸命努力したりしています。そこには、相談者の孤独感、不安、焦り、悲しみ、そして怒りが感じられます。
次月にもう少しこのお話を続けたいと思います。

吉嶋かおり(よしじま かおり)

外国人のための多言語相談サービス相談員。臨床心理士。2006年から担当しています。
どんな相談があるの?相談って何してるの?という声にお応えできるよう、わかりやすくお伝えできればと思ってコラムを書いています。