公益財団法人とよなか国際交流協会

外国人相談あれこれ

第20回 2010年度を振り返って

吉嶋かおり(よしじま かおり)

 2010年度の相談事業の集計を終えました。統計・分析は2006年度から行っていて、2010年度で5年になります。2010年度、相談件数は350件でした。一日に平均して6~10件ぐらいの相談が寄せられていることになります。
 相談は70%が女性です。年齢は、30歳代と40歳代で60%を占めます。豊中市在住の人が50%ぐらいですが、他の市町村や府県からも相談があります。遠いところでは、北陸や九州からも相談が寄せられています。口コミで協会の電話番号を得ているようです。国籍ではフィリピン人が最も多く、毎年50%弱となっています。次いで、中国やペルー、ブラジル、タイなどです。言語にすると、フィリピノ語、中国語、スペイン語の需要が多くなっています。これは豊中市在住外国人数に比例しませんが、その背景には、文化的な要因(他者に相談するかどうか)、相談日が平日昼間週一日のみであること、他機関でカバーしている言語があるかどうか、等と言った理由が挙げられます。
 在留資格では、以前は配偶者が多かったのですが、ここのところは永住者が最も多く、定住者も増加しています。日本に長く定着している人からの相談が多くなっています。就労している人からの相談は、相談日が平日昼間なので、数が少ないと考えられます。スペイン語・ポルトガル語は日曜日に相談日を開設していますが、たいていは、いつも集う仲間と過ごしていますので、「相談」としては、件数は多くありません。
 相談内容では、2010年度は在留資格やパスポートなど、日本に暮らすための地位に関するものが最も多く寄せられました。次いで、ドメスティック・バイオレンスの被害、日本語学習、市役所等の行政制度や手続きについての相談が多くなっています。これらは順位の変化はあっても、毎年トップ5に並んでいる相談内容です。他にも、子育てや子どもの教育についての相談、労働にまつわる相談、医療・保健についての相談など、内容はあらゆることに及んでいます。
 外国人(日本以外の言語・文化環境で生まれ育った人々)は、情報・制度「弱者」です。さらに、経済的、知識や能力的な要因なども加わり、自らの問題解決が困難となっていきます。そのような人にとっては、援助者側が総合的にとらえ、対応する必要があります。相談が多岐にわたるのは、外国人支援においては当然の結果と言えるでしょう。
 これについては、また次回(8月号)で触れたいと思います。

(2011年6月号より)

吉嶋かおり(よしじま かおり)

外国人のための多言語相談サービス相談員。臨床心理士。2006年から担当しています。
どんな相談があるの?相談って何してるの?という声にお応えできるよう、わかりやすくお伝えできればと思ってコラムを書いています。