公益財団法人とよなか国際交流協会

リレーコラム(2015年度~)

2024年9月 en glad laks (エン グラ ラクス)(第12回)

岩根あずさ(いわね あずさ)

みなさんこんにちは!このコラムを書いている7月下旬、私は2年振りに日本に一時帰国をしています。久しぶりの日本は、知っている場所のようで、知らない場所のようでもあります。私がこの場所にいなかった時間の流れを感じるとき、特にそう思います。好きだったお店がなくなっている、駅や道路が改装されている、知らないパン屋さんができている、街が日々少しずつ積み重ねてきた変化をいっぺんに体験することで、大きな変化のように感じています。
 もう一つ、暮らしの小さな習慣を忘れてしまっているときも、知っているようで知らないような感覚がします。ノルウェーでの暮らしの中で当たり前になっていった習慣と日本の習慣の違いに気がつき、確認し、調整する。些細なことばかりですが、毎日繰り返しているうちになんだか頭がごちゃごちゃになりそうになります。例えば、ノルウェーの公共交通のチケットはバス、地下鉄、路面電車共通で時間制チケットです。駅には改札がなく、バスに乗るときにもチケットのチェックはありません。たまにコントロールと呼ばれるチケットを確認する係の人が電車やバスの中を回っていて、そのときに有効なチケットを持っていればOK。チケットの買い忘れがあると、高い罰金を払うことになります。久しぶりに阪急電車に乗り、「チケットを買うのを忘れていた!コントロールが来たらまずい!」と思ってから、ここは日本で改札を通ったことを思い出しホッとする、ということを帰国後すでに何度も繰り返しています。
 たった4年、ノルウェーにいただけでこんなにも混乱するものなのだろうか?と思いつつも、不思議な隙間をスルリとすり抜けていきます。

岩根あずさ(いわね あずさ)

子どもサポート事業(学習支援サンプレイス)でボランティアをしていた岩根あずささんが、2020年7月よりノルウェーで生活されています。日本から遠く離れた地での生活や現地の様子について、あずささんにレポートしていただきます!