2025年1月 en glad laks (エン グラ ラクス)(第13回)
岩根あずさ(いわね あずさ)
みなさんこんにちは!今年のオスロは暖冬で、ウィンタースポーツが好きな人たちは、スキーシーズンがまだ始まっていないことを嘆いています。毎年、冬の朝夕にはクロスカントリーで出勤する人を見かけますが、今年は雪があまり降っていないのでそんな光景が見られるのはまだ先になりそうです。今回は、ノルウェーの学校について少し紹介したいと思います。
ノルウェーの学校を見ていて、「とてもいいな」と思ったことの一つに多様性を尊重するメッセージをしっかりと発信することがあります。例えば、6月のプライド月間には学校にレインボーの旗をあげてプライド月間をサポートしていることを示します。また、先住民の日であるサーミの日にはノルウェーやスウェーデン、ロシア、フィンランドの先住民サーミの旗を掲げます。マイノリティへの支持を示すことはそこに通う子どもたちにに対して、学校は多様性を尊重する、安心することができる場であることを示すことができるのではないかと思います。
もう一つ、ノルウェーの学校でとても興味深いと思ったのが、世界中の宗教行事や祝日を積極的に授業で取り扱っているという点です。子どもたちは小学校のうちから宗教の科目でさまざまな宗教について、成り立ち、教義、宗教行事や祝祭などを詳しく学びます。学校によっては各地の宗教的な祝祭をテーマに、算数などの教科の授業作りをすることもあるそうです。多様なバックグラウンドの子どもたちが学ぶ学校でこうした取り組みがあることで、異なる文化や考え方、生活習慣の違いを自然なことと受け止められる基盤になっていくのかなと感じました。
私の子ども時代と比べるとノルウェーの学校はいろいろな面で多様性をサポートしていると感じます。もちろん、ノルウェーの学校に課題がないわけではありません。しかし多様な価値観学ぶことができる環境が子ども時代のうちにあることが、多様性を歓迎する社会につながるのかなと思います。

岩根あずさ(いわね あずさ)
子どもサポート事業(学習支援サンプレイス)でボランティアをしていた岩根あずささんが、2020年7月よりノルウェーで生活されています。日本から遠く離れた地での生活や現地の様子について、あずささんにレポートしていただきます!