公益財団法人とよなか国際交流協会

リレーコラム(2015年度~)

2015年04月 アペカカカ!(第3回)

十田麻衣(とだまい)

桜が咲き始める日本…去年は大阪で、そして訓練所がある福島で2度も桜を満喫しましたが、今年は…もちろん…できません…。桜も桜スイーツもとてもとても恋しい季節です。そんなガーナはそろそろ雨季の始まりです。3月半ばごろから曇ったり、夜中に大雨が降ったりし始めました。気温も高いままで湿度があがるもんだから…。
 わたしたち青年海外協力隊員は教育や保健、行政、観光など様々な分野に分かれて活動しています。わたしは小学校にてICT科目を重点的に指導しています。同じように教育分野に携わる隊員の中には高校や教員養成校で、より専門的にICT科目を教えている人もいます。彼らは日本でのシステムエンジニアやIT関連企業勤務の経験を活かして、途上国のICT教育の発展に貢献しています(とてもお固くて偉そうな表現ですが…)。活動の場は違えど、同じようにICT科目を指導している隊員が集まり、お互いの活動の情報交換や出張講義(以下WS:Work Shopの略)を行う「分科会」というものがガーナ隊にはあります。その分科会主催で2月にろう学校にてWSを開催しました。
 このろう学校には幼稚園部から職業訓練部まであり、全寮制をとっています。今回のWSは職業訓練部の生徒が主な対象でしたが、全生徒を対象に行った取り組みがありました。それは、日本の高校とSkypeを通じた文化交流です!画面を通じてではあるものの、日本の高校生を目の前にするのは、ろう学校の生徒にとっては初めての経験で、遠く離れた日本と繋がっているとわかった途端に生徒たちは大興奮!わたしも久しぶりに見る、日本のとても綺麗な校舎に少し興奮しました(笑)高校生が準備してくれた「食」「漢字」などの日本文化クイズやダンスをガーナの生徒たちは楽しみました♪ご想像の通り、ガーナはインターネットの回線は日本のように万全ではありません。そのため何度も回線が途切れたり、合間まったく不通になったりすることもありました。しかし、ガーナの生徒にとっては、“インターネットという手段を使って、日本と(もちろん他の国とも)つながることができる”という経験をしたことは、何か彼らの中に残るものがあるはずです。今回のSkypeでの交流を通じて、ガーナの生徒たちに具体的に何が残ったのかは正直…よくわかりません。でも、生徒たちの興味や好きなことの「引き出し」を増やしていく機会を創っていくことが、わたしたち外国からきた『よそ者』ができる唯一のことなのかなぁ~…と思ったりしました。
 Skypeのようにオンタイムで交流するには時差という壁はありますが、それ以外にも外国の文化に触れられるチャンスが日本にはたくさん転がっています。そのチャンスを活用して、子どもたちの「引き出し」を増やしていきたい!という方や学校など…ガーナとの交流なんて、いかがですか?「遠く離れたアフリカ大陸にあるチョコレートの国ガーナ」というイメージが変わる…かも?!

十田麻衣(とだまい)

元協会職員の十田麻衣さんが、青年海外協力隊として2014年7月より西アフリカの国、ガーナで活動しています。十田さんからの驚き、発見、感動たっぷりの便りをどうぞ!