2016年01月 日本の人、聞こえますか~?(第3回)
中原田ブルーナ(なかはらだぶるーな)
ブラジル日本移民史料館に行ってきました。サンパウロのリベルダージ地区にあります。リベルダージは日本人街と呼ばれている地区で、たくさんの日本食のレストランがあります。日本語がたくさん見られるところであり、街に提灯が飾ってあったり、信号機がのマークが鳥居になっていたりする、興味深いところです。日本人移民が減り、中国や韓国からの移民が増えてきたので最近は日本人街ではなく、東洋人街に変わりつつあるそうです。
ブラジル日本移民史料館は移民70周年祭の記念事業として1978年6月18日にオープン、当時の皇太子・明仁親王(今上天皇)と美智子妃、ガイゼル大統領(故人)によって開館されました・・・とホームページには書いてあります。私は高校のときに日本に渡りましたが、日本移民に関して興味はあまりありませんでした。大学のときに日系人について勉強を始めてから、何も知らない自分が恥ずかしく思いました。
この資料館には、名字を入力して自分の先祖について調べられる検索システムがあります。この検索システムはとても面白く、名前を入力するだけで出身地、出発日、ブラジル到着日、行き先、船の名前などが出てきます。そして当時の移民が、船で2カ月ほどかけてブラジルへ渡航し、実際どのような生活を送っていたのかを見て想像できるので行ってよかったです。その話をおばあちゃんにすると、行ったことがないと言っていたので今度連れて行こうと思います。
おばあちゃんの話をたくさん聞くということがブラジルに帰る一つの理由でした。子どものころはおばあちゃんが市場で知り合いと日本語で話をしているのを見て、何もわからなかった私は全部聞き流していました。今回ブラジルに帰ってきて、おばあちゃんの歴史について聞きました。普段の生活をしていると、深い話はしないのでこういう大切なことを知らずに時が過ぎていくと改めて感じました。日本では移民に関する本をたくさん読んでいたにも関わらず、おばあちゃんの話を聞いていなかったのでもったいないことをしていたと気づかされました。
ブラジルはいま、経済問題、政治問題と様々な問題を抱えている時期なのですが、私はチャレンジングな仕事に就くことができたのでとても運がいいと思います。私にできることはないのかなと思いながら、ブラジルにいる間はいろいろな経験をし自分を磨いていきたいと思います。
中原田ブルーナ(なかはらだぶるーな)
外国人のための多言語相談サービス(ポルトガル語)多言語スタッフと、子ども事業コーディネーターをしていた中原田ブルーナさんが、2015年4月より故郷・ブラジルに滞在しています。ブルーナさんからのブラジル生活便りをどうぞ。