公益財団法人とよなか国際交流協会

リレーコラム(2015年度~)

2020年03月 蘇州的随記☆仰望天空(第6回)

柳本美鈴(やなぎもとみすず)

「蘇州的随記☆仰望天空 (蘇州での徒然日記☆空を見上げて) 」(第6回)

大家好(みなさん、こんにちは)!
 今回の新型肺炎の大流行で、みなさんもきっと不安な気持ちで過ごしていることと思います。
 私が住んでいる蘇州市は、武漢市から780km(大阪から青森くらい)ほど離れていますが、やはり少しずつ感染者が増えていきました。外出もままならず、生活が不自由で窮屈になってきたため、先日私も子どもたちを連れて、日本へ一時帰国をしました。この新型肺炎の事態が深刻化していくにつれて、私の住む町でも「物流が止まる」「店が閉まる」「町が封鎖される」という噂が流れ始めました。とりあえず我が家も一通りの食料や日用品を買い込み、できるだけ外出を控えて過ごしました。実際には、いくつかの飲食店やネットスーパーが利用できなくなった程度で、ライフラインの混乱は無かったのですが・・・。外国に住んでいると、今回のような非常事態に「正しい情報をいち早く手に入れること」が難しいということを、改めて感じました。そして、日本人同士のネットワークや中国人の友人の存在が、本当に心強かったです。
 2月に入ると、中国国内であっという間に感染が拡大し、それに伴ってそれぞれの都市が感染防止策を強化していきました。外出制限や集会活動の禁止、マスク着用の徹底など・・・。バスやお店には「マスクをしていないお客さまは入れません」と書いてある所もあり、マスクは本当に貴重な物になっています。病院も決められた所以外は診療禁止となり、発熱外来として開いている病院は市内で数ヶ所のみ。かかりつけの日本語対応の病院も閉まり、いよいよ生活に不安がよぎりました。私の住んでいるマンション区でも、出入りは一ヶ所の門だけに制限され、常駐の警備員さんによる検温と、そこに住むことを証明する紙を書いて見せなければ外へ出られなくなりました。帰って来た時には、その紙を再度見せてマンション区へ入ります。
 今、中国全土で、感染拡大防止のために厳重な管理が行われています。皆それぞれ窮屈な思いをしながら、徹底的に感染防止策に従い、ウイルスの終息を心から待ちわびている状況です。どうか、感染してしまった方々が快復に向かい、一刻も早く静かな日常が戻ってきますように・・・と祈るばかりです。中国加油(がんばれ)!!

柳本美鈴(やなぎもとみすず)

こども母語・スペイン語アシスタントの柳本美鈴さんが、2018年4月より中国に滞在されています。現地に住んでいるからこそ感じること・ものがたくさん詰まった、美鈴さんからの生活便りをどうぞ。