公益財団法人とよなか国際交流協会

リレーコラム(2015年度~)

2022年1月 en glad laks (エン グラ ラクス)(第4回)

岩根あずさ(いわねあずさ)

 みなさんこんにちは!私が暮らしているオスロでは日の出がどんどん遅くなり、逆に日の入りはどんどん早くなり、冬が来た〜と日々実感しています。
 ノルウェーの中でもどちらかというと南に位置するオスロでは冬至前後でも一応日が昇りますが、トロムソなど北部に位置する地方では一日中全く日が昇らない極夜が2ヶ月ほど続くそうです。日が昇るとはいえ、オスロでも15時ごろになると薄暗く、16時をすぎると外はもう真っ暗です。それもあってか、ノルウェーでは16時ごろには仕事を切り上げて家路につく人も少なくありません。特に金曜日はお昼過ぎにはもう週末ムードが漂っているので、15時頃にはオフィスが空っぽということもあるそうです。
 日照時間が短くなると気分も落ち込みがちになってしまうのですが、そんな中でも楽しみにしていることがあります。それは家々の窓から見えるクリスマスの飾りつけです。ノルウェーでは夜でもカーテンを引いている家が少ないような気がします。そのため、通りを歩いていると暗くなった街並みにクリスマスの飾りつけやオレンジ色の光が灯っているのが見えます。最近は氷点下10度くらいの気温の日が続いていたのですが、それぞれの家の窓から漏れる明かりを見ると何ともいえない温かい気持ちになります。
 夜が長く家で過ごすことが多くなる冬には編み物をして過ごす人も多いそうです。達人級に編み物が上手な人も少なくなく、時には本当に手編みなの?とびっくりするような複雑な模様の素敵なセーターを着ている人もいます。複雑な模様を裏側から見ると毛糸が何本も渡してあり、これによってセーターを分厚くして、暖かさを保てるようにするための昔の人の知恵なのかなと想像したりします。編み物をしている人は電車やカフェ、図書館だけでなく、夏の間は公園などでおしゃべりに花を咲かせながら、なんて人たちもちらほら見かけました。私も友人のおばあさんが編んだ手袋と靴下のおさがりをもらいました。靴下はノルウェー北部の村の伝統的な模様が編み込まれているそうで、編み物が全くできない私は見るたびにその精巧な作りに惚れ惚れしてしまいます。それぞれの模様の意味やその成り立ちなどを調べてみるのもおもしろそうです。

岩根あずさ(いわねあずさ)

子どもサポート事業(学習支援サンプレイス)でボランティアをしていた岩根あずささんが、2020年7月よりノルウェーで生活されています。日本から遠く離れた地での生活や現地の様子について、あずささんにレポートしていただきます!