2017年03月 Vamos!(第3回)
ネルソン百合子(ねるそんゆりこ)
みなさん、お久しぶりです。ネルソン百合子です。
今年の冬は日本は例年より寒く雪の日も多かったようですね。私は去年の4月にブラジルに来てからいろんな町に住みましたが基本的にどこも暑いか暖かいかのどちらかでした。この一年近くの間に何度夏を迎えたことか。。
前回のコラムで、これからのことは未定ですと書きましたが、10月からサンパウロに住み始めました。日系人についての勉強を多くするため通っていた学校を離れて時間を見つけてはいろんな日系人に話を聞きに行っています。
住んでいるのは女性専用の大きなシェアハウスで、40人以上のブラジル人女性が住んでいます。
私は住み始めて5カ月ぐらいになりますが、長い人だと2年以上住んでいる人もいれば、大学に通う間や仕事の都合で短期的に住む人、定住先が決まってすぐに出て行く人もいます。なので今住んでいる人の半分以上は私より後に住み始めた人たちです。
年齢も出身州も肩書きもばらばらな女性たちが一つ屋根の下に住むとなると、本当にいろんなことがあります。みんなそれぞれに問題を抱えているのでお互いの悩みを話し合ったり、悩みがもとでケンカが起きたりもします。
私自身にも、この5カ月本当にいろいろありました。こんなに本気で笑ったのも怒ったのも泣いたのも今までなかったと思います。家族じゃない人同士が家族のように暮らすと、面倒だなと思うことも多いし、そういうことがいやで出て行く人もいます。私も何度か出て行きたくなりましたが、なんとか頑張れています。
私一人ブラジル人じゃないことで大変なこともあります。考え方や習慣が違って悔しい思いもしました。みんなの話について行けなかったり理解に時間がかかって、気づいたら私の友だち同士がケンカを始めていて「あんたどっちにつくの?」と聞かれたこともあります。時々、みんなは私がブラジル人ではないことを忘れているんじゃないかと思います。実際、私も時々忘れますが。
もちろん、良いこともたくさんあります。料理やスラングを教えてもらったりいろんな場所に連れて行ってもらったりもします。先月も里帰り中の人の家に遊びに行って来ました。
この家での生活は、とても貴重な体験です。いろんな人と話して、それぞれの物語を聞いて、私も自分自身の物語について考えました。そして、これからの私の物語についても考えるようになりました。
3月末で日本に帰る予定でしたが、もう少し滞在を延ばそうと思います。この場所で、この仲間たちと過ごしてみようと思います。
ネルソン百合子(ねるそんゆりこ)
小学校外国語体験活動、若者支援事業、日本語交流活動等のコーディネーター&ボランティアとして活躍していた、スリランカにルーツを持つネルソンさんが2016年4月よりブラジルに留学しています。ネルソンさんからの便りをどうぞ!